前回の「きのこの栽培方法(1)」では培地調整から接種まで紹介しました。
今回は培養からの工程を紹介します。
~培養~
きのこの菌を接種したビンは一定の温度、湿度の環境下で培養します。この工程できのこの菌がビン全体に菌糸を伸ばし、きのこを作るだけの栄養を蓄えます。
ここでは約20℃、湿度約70%の室内で約3ヵ月間培養します。(培養室の温度、湿度、培養期間はきのこの種類によって異なります。)
~菌掻き~
菌糸が十分に成長したビンは菌掻きの工程へと移ります。
ここではビン内の培地の表面を機械で掻くことで菌に刺激を与え、きのこの発生を促します。
菌はこのような刺激を受けることで危機を感じ、子孫を残すために胞子を作る器官である「子実体(きのこ)」を作り始めます。
(掻き方もきのこの種類によって異なり、ぶなしめじの場合は一般にまんじゅう掻きと呼ばれる掻き方で行われる。)
(菌掻き後のビン。ビンの中央部分がまんじゅう状に盛り上がっている。)
~生育~
菌掻き後のビンは一定の温度、湿度に保たれた生育室に移され、きのこを発生させます。
ここでは温度約15℃、湿度約90%の部屋で3~4週間をかけて生育します。(生育室の温度、湿度、生育期間はきのこの種類によって異なります。)
(生育中のぶなしめじ)
~収穫&包装~
きのこは適度な大きさに成長した時点で収穫します。
その後、重さを一定にして、トレーに入れて包装します。
包装された商品は段ボールに詰められ出荷されます。
~掻き出し~
きのこを収穫し終えたビンから培地(きのこを発生し終えたおが、米ぬかなど)を掻き出します。
掻き出された培地は堆肥となるため堆肥センターへと運ばれます。
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と、きのこの栽培工程についてここまで2回に渡って紹介しました。
みなさんの食べているきのこはこのように生産されているのです。