先日は「きのこの胞子・菌糸のはなし」をしましたが、今回はその続編。
きのこの交配についてです。
この間も書いたとおり、きのこは菌同士に相性の良し悪しがあり、相性のいい菌に出会うと交配します。
相性が悪かった場合は交配をしません。
上の写真は交配を行っていない菌糸です。
右の菌糸と左の菌糸の間に谷のようなもの出来てしまっていて、菌糸同士の境目をはっきりと確認することができます。
このシャーレを裏から見るとこんな感じです。
やはり右の菌糸と左の菌糸の間に、はっきりと線が入ってしまっています。
これも交配しなかった菌糸です。
この菌糸同士では右の菌糸は伸びてますが、左の菌糸はほとんど伸びてません。これもやはり菌糸同士の境目がはっきり見えてます。
なぜ右の菌糸と左の菌糸で伸びが違うのかは定かではないですが、この2菌の相性が最悪なのは確かですね。
菌同士の相性がいいとこうなります。
左右の菌糸の境目がわからなくなっています。
穴が開いているのは、菌糸を切り取ったためです。
このように交配が成功した菌は、その後も拡大培養し、「おが培地で菌糸がきちんと伸びるのか」や「きちんときのこを作るのか」などを確認していきます。
菌によっては寒天培地では菌糸を伸ばしても、おが培地では菌糸を伸ばさなかったり、菌糸は伸びてもその後きのこを作らなかったり、そんなこともしばしばあるからです。
きのこを作らない菌では役に立たないですからね。